All right part3

私的ブログ。ボツ記事や漫画や近況を話す。ゴミみたいなことも言う。読みたければ読め。(Google上非公開)

少し前の、仕事の話

注:これは2020年10月初めに書いた記事です。

 

 

 

どうも。

仕事の話をしたい。

今のテンションなら、自分自身のことを飾らず、正直に書けるから、前期、史上最低の営業成績を持つ男の話を少しだけ聞いてくれ。

 

これは前期(2020年7月から9月)の話だ。

その時の俺の売上が悪いのなんのって。

コロナ不況の影響が、なぜか俺には遅れてやってきたので、俺だけ成績が悪くて周りと比べて目立つのなんのって。

 

金曜日はいつもマネージャーに呼び出されて。

もちろん、圧倒的に最低な俺の売上のことで。

 

「今のままだとまずいよね」

 

「どう思ってるの。」

 

言い訳なんてたくさんある。

そして、たくさんある言い訳をぐっと堪えるなんて大人なことは俺には出来なくて、たくさんの言葉を並べたけれども、いつも優しいマネージャーの、いつも通り優しい眼は、「営業は結果が全てだよね」と語っていた。

 

 

会社からのプレッシャーがあり、売上を作りたい。

 

会社への反発心があり、何もしたいと思わない。

 

面倒を見てくれている先輩に報いたいから、売上を作りたい。

 

何も頑張れない。

 

全てが本音で、

 

俺は一体、俺をどうしたいんだろう。

 

最後に、自分で自分の背中を叩きたくなるくらい鼓舞してやったのは、いつだろう。

 

また、あんなふうにひたむきになることが出来るだろうか。

こんな風に胃がねじ切れるくらい辛い思いをするなら、いっそ感情とともに痛覚を遮断して、全てのプライドを捨て去って、がむしゃらに頑張ればいいのに。

 

頑張れたらいいのに…。

 

モチベーションもなければ、運もない。

何も無い俺は、何かを得る努力もすることなく、期末(9月)を迎えた。

 

 

期末、最終週手前、目標額に対して、10%の到達率。

営業にゆかりのない人には、目標到達率10%という絶望的数値を理解しにくいかもしれない。

 

まあ、分かりやすく言うと、全国500人以上の営業の中でドベをとる確率すら高い数値だ。

 

…………………。

 

 

 

「もう辞めたら?」

 

「誰か」ではなく、会社にそう言われてる気がした。

 

毎週毎週毎週毎週毎週毎週毎週毎週

 

毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日

毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日

毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日

 

「辞めたら?」

 

俺が俺にそう言っている気がした。

 

もう疲れた、なんか疲れた、

 

疲れることに疲れた、

 

とにかく疲れた。

 

眠いんだ俺は。

 

疲れたんだ、俺は。

 

脳内のひとりごとはなんの意味もない「疲れた」の反芻。

 

 

 

 

そんなこんなで最終週の月曜日が来た。

 

「そうですね、このままでは終われないので、見込み顧客をここで受注出来れば…はい…何とかします…はい、木曜日お伺いするので、、、その時に商談します…。」

マネージャーにそう言った。

 

最終週、とある見込み顧客を受注できれば、俺は大逆転ホームランを打つことが出来た。

かすかに掴んだ契約のネタ。

 

ここまで、最悪の営業成績だった俺が、全てをひっくり返せるラストチャンスだった。

 

マネージャーも、「その商談頑張ってこいよ!」と背中を押してくれた。

 

でも、

 

そんな商談の予定、俺にはなかった。

 

 

仕事をしている素振りを見せるため、「商談がある」「契約が取れるかもしれない」と嘘をついていたのだ。

 

まるっきり嘘と言うよりは、契約の可能性が3%くらいありそうなのを、30%あると盛ってた。

 

最終週の木曜日、見せるつもりのない資料を作った俺は、気晴らしにドライブでも行こうと会社を出ようとした。

もちろん、商談のアポイントなんて取っていないからだ。

 

数時間したら会社に戻って、

ダメでした…と言えばそれで終わりだ。

 

最低、最悪な営業マンだ。

 

 

そろそろ外に出るか。

 

席からたとうとした時、

 

「おい、潤」

 

と、チーフの優也さんが俺を呼んだ。

 

優也さんは、俺が辛く苦しんできたこの3ヶ月間、1番近くで俺を見てくれていた人だ。

 

俺が3ヶ月間まがいなりにも頑張れたのはこの人のおかげだ。

 

優也さんと、頑張って頑張って頑張って、それでもダメで、こんなにひねくれた訳だが。。。

 

俺はもはやこの人の為に頑張っていたと言っても過言ではない。

 

そんな優也さんが、最終週の締切1日前の、外出直前の俺に声をかけた。

 

優也さんは誰よりも乱暴な態度と言葉で、誰よりも後輩思いな人だった。

見積もりは破られたし、何回もケツを引っぱたかれた。

そして、売上の低い俺を何回も上司から守ってくれた。

 

 

そんな優也さんが、俺にこう言った。

 

 「まあ、悔いの無いよう頑張れや。」

 

 

 

人を応援する柄じゃない優也さんが、自分のパソコンを見ながら、そう言った。

 

 

正直、悔いなんてねえよ。

 

悔いが残るような精神状態じゃねえよ。

 

全てがどうでもいいんだ、俺は。

 

でも、この人に頑張れって言われて、頑張らなかったら、それは確かに俺の中に一生残り続ける悔いになることは明らかだった。

 

「…………分かりました。」

と俺は答えた。

 

もう一度、俺は俺の背中を叩けるだろうか。

 

 

 

俺の、偽物の会心の一撃

全てをひっくり返す予定のない、偽物の、会心の一撃

 

これを 

本物に出来ないだろうか。

 

 

 

最後くらい、かっこよく終わる権利くらい俺にもあるんじゃないだろうか。

最後くらい優也さんに褒められて、俺も優也さんにありがとうございました!って言って、笑って終わる、そんな未来あってもいいんじゃないか。

 

 

 

敗北確定で、しょうもなくて、悲惨的で、残酷的で、完膚なきまでにみじめな未来

 

じゃなくて

 

ドラマチックで、感動的で、フィクション的で、運命的で、前人未到的で圧倒的に主人公な未来

 

 

9回裏ツーアウト満塁3点ビハインド逆転満塁打の会心の一撃

 

 

そんな結末、あってもいいんじゃないか。

 

「行ってきます…」

 

今までで1番小さい声で、そして心のこもった声でそういった俺はオフィスを出て、車に乗り込んだ。

 

俺は車をコンビニに止め、資料を見直した。

 

そして、資料の一部の、制作さんに作っていただいた広告原稿を自分でイチから作り直した。

こんな広告じゃあ顧客は満足しないと思ったからだ。

 

3時間かけて、自分で文章を練り直した。

 

 

俺は、嘘の商談を本物にすることにした。

アポイントは取っていなかったが、飛び込みで突撃することにした。

きっと、あの人はいる。

 

その人は、俺が初受注を決めた飲食店のオーナーだった。

 

決して安くはない金額を、約束もしてない相手に商談し受注するなんて、意味が分からない難易度だが、やるしかなかった。

 

俺にはやるしかなかった。

 

 

 

苦しい。胸が苦しい。だからこそ、思い切り息を吸って全身に酸素を駆け巡らせる。

 

よし、行くか。

 

 いわゆる「お願い営業」というやつだ。営業マンがお願いします!と頭を下げて受注する。

俺がいっちばん嫌いな手法だ。

 

でもやるしかない。

 

俺はオーナーに全部話した。

今の自分の状況。会社の状況。

 

「僕は…ここで終わるわけにはいかないんです。」

 

オーナーを見て言った。

 

10分ほど話し、

 

オーナーは 「分かった。いいよ。」と言った。

 

存外、嬉しくなかった。

 

「…。」

 

「でもね、これだけ聞かせて。」

 

「ここでお前を助けたとして、それは延命にしかならないんじゃない?お前が100%助かるなら、助けるよ。どうだろう、絶対にお前は助かるのか?」

 

この問いになんと答えるかが、今期の俺の全てだということは、すぐに分かった。

 

結論から言うと、俺はオーナーから受注することをしなかった。

 

無理だった。

あそこで「はい。」と答えていれば受注ができていた。

それでも無理だった。

理由はシンプルで、俺はそういう「営業マン」になれなかった。

ただそれだけだった。

 

自分の利益のために、顧客の金を奪うことがどうしても営業のやるべきこととは思えなかったからだ。

 

考えに考えに考えて出た言葉が。

「ごめんなさい。やっぱりこの話、なかったことにしてください…。」

 

言っちゃった。

 

挽回の最終兵器、自分で海に投げ捨てちゃった。

 

何やってんだ。マジで。

 

オーナーは何とも言えない顔で、

 

「まあさ、職に困ったらいつでも言えよ。俺も俺でいろいろつてはあるからさ。口利きくらいするよ。お前がめちゃくちゃ頑張ってるの知ってるし。」と言ってくれた。

 

ただ、結果は結果で、何も得ることができなかった俺は…

 

優也さんになんて言おうか。

 

息まいて思い描いた未来は、実現しない妄想でしかなかった。

 

帰りの車で、少し泣いた。

 

帰社し、なんとも浮かない顔でいる俺を見た優也さんが、「どうだった?」と俺に尋ねた。

あまり覚えていないが、「ごめんなさい、受注できそうだったんですけど僕が断っちゃいました」みたいなことを言った気がする。

それを聞いて目を丸くして「どゆこと?」と言った優也さんの顔ははっきり覚えている。

事情をすべて説明すると優也さんは

 

「いいじゃん。その選択はベストだよ。そういうお客さんに応えられるようになれよ。まあ、今回の件でお前になんか文句言うやつがいたら、、、うん、俺が言ってやるよ。大丈夫だ。」

 

とだけ言って、煙草を吸いに行った。

 

 

金曜日、業後、俺はマネージャーに呼び出された。

 

俺は「分かりました、辞めます。」

という準備だけして、会議室に向かった。

 

 

マネージャーは席に着いた俺を見て「優也から聞いたよ」と言った。

 

「お前も必死にお願いとかするんだな。最後それだけ踏ん張れるんならさ、来期も頑張ってみなよ。」

 

全てを理解した。

ああ、そうか。

また助けられたのか。

昨日マネージャーと煙草を吸いに行ったのはこれを話していたのか。

 

もう俺の中にあったのは感謝の気持ち云々とかではなかった。

 

俺はいったい何をやっていたんだ。

やる気がどうとか、疲れたとか、頑張れないとか。

 

ああ、何か、何か。

俺は俺を助けてくれた人に何ができるんだろうか。

 

分からないけれど、多分結果で返すしかない。

 

 

だから宣言します。

 

 

俺は今期(10~12月)、営業目標を達成します。

過去6期、1回も成し遂げられなかった目標達成を、今期します。

 

 

 

だから神様、お願いします。

 

どうか俺に全く力を貸さないでください。

 

これから起こる一切を俺の責任にしてください。

 

悔しさも、悲しさも、嬉しさも、全部俺だけのものにしてください。

 

どうかお願いします。

 

以上

 

 

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死ぬほど話長くてすみません。

長すぎて投稿までクソ時間かかって、今期終わりました(笑)

そして宣言通り、目標達成しました。